■ ■ ■ 代表挨拶 ■ ■ ■

JSCA埼玉代表  尾田文雄

JSCA埼玉は(社)日本建築構造技術者協会(通称:JSCA(ジャスカ))/関東甲信越支部の埼玉サテライトとして
活動しております建築構造設計の専門家集団です。
110名以上の会員から成り立っています。

さて、4年前の建築偽装事件以来、我々の存在が世間の注目を集めることとなりました。
多くの方がご存知のことと思います。
余りにも大きな影響を社会に与えたこの偽装事件の反省を踏まえて、一昨年の6月20日に建築基準法の大改正が行われました。
その最大の要は構造設計の大改革です。

それは建築主(=住む人)の利益が、建物の構造的安全性の観点から、最大になることを考えたものであります。
構造設計の観点から見た改正の骨子は、構造設計の仕組みを「説明責任」の下に再構築したことに尽きると言えます。

要点をまとめますと
 @  建築の構造設計者の顔がはっきりと見えるように、確認申請図書に構造設計者の住所、事務所名及び氏名を載せることとした。
 A  構造設計者の責任範囲を明確にした(一つには建築主にたいする安全証明書の発行)。
 B  構造設計者の経験、及び実務の経歴を重視し、これを開陳し、クライアントが構造設計者の情報を得られるようにした。
 C  適合性判定制度(ピアチェック制度)を新設し、一定規模以上の建築物の構造設計を第三者機関がチェックするようにした。
 D  一級建築士の上に、「構造設計一級建築士」の資格を新設し、国の厳正な考査に基づく構造設計のエキスパ-トを認定することとした。
   この制度は2009年の5月27日から発効します。
 E   構造設計、構造計算を行う上での基本的な約束事を、建築基準法の中で明確に規定した。
 F   構造設計者に対して、第三者(建築主、建築家、審査機関、適判機関、行政)への説明責任を100%義務づけた。
以上です。

これによって、我々の負担は飛躍的に増大しましたし、ある意味、構造設計の自由度が全く損なわれたと評する意見も少なからず聞かれます。しかし、結果として、改正法の目指した「建築主の利益」は大きく保護される方向に進みました。
この改正法を、真に双方(建築主、構造設計者)にとって良き法律になるのかは、ひとえに我々の乗り越える力(=勇気・努力)にかかっていると確信いたします。

さて、JSCA埼玉の設立趣意書は以下の3つです。
 @
   構造技術者の社会的地位向上
  A  行政及び他団体との情報交換及び協力
  B  会員の資質及び技術の向上
このの他に私は次の言葉を加えたいと思います。
 C   社会に対する建築構造の正しい情報の発信

くしくも昨年はJSCA埼玉が1998年に設立されて10周年の節目の年でした。
今までに私を除く3人の方が代表の任に就かれました。3人の方が切り開かれた道があります。
これからは、我々がこの道を踏み固めて更に広く磐石な道にしていく使命を担わされています。

10年の間に、構造設計者を取り巻く環境も大きく変化しました。大変革を遂げたといっても過言ではありません。
我々はこれからも社会との関わりを積極的に持ち続けながら、建築に於ける構造設計の大切さを判りやすく訴え続けて行きたいと思っています。
JSCA埼玉へのご支援、よろしくお願いします。